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光る山」 2025|石炭、和紙、木材、接着剤

一昨年はじめて実物の石炭を目にし、その鉱物と生き物の間のような不思議な艶かしさに魅了され、エネルギー源としての石炭と人間の物語について調査を始めた。そして北海道、九州、宇部の炭鉱跡に行き、炭鉱夫の方々が労働の合間に詠んだ俳句などを手がかりに、石炭を顔料としたドローイングを描き重ねた。

 

TOKAS-Emerging 2025では、このドローイングと、人々が石炭を求めて鉱脈を追いかけ地中を掘り進んだ坑道をイメージし、ドローイングを組み上げた立体作品、そして長崎の対馬で制作した対州馬にまつわる作品に手を加えた《山の芒》と《天気雨》を展示した。昨年秋に滞在制作を行った長崎の対馬の固有種「対州馬」は、九州の炭鉱で石炭運びに酷使されていたという。巨大なエネルギー源として日本の繁栄を支え、今の日本の骨格を築いたとも言える石炭産業には、光と影、暗い坑道と煌びやかな繁栄のコントラストがある。足元に広がる石炭というエネルギー源と、それを追い求めた歴史は捉え難く、過去のものとして人々の記憶から忘れ去られている。しかし、その流れは途切れることなく現在に繋がっている。

協力: 宇部市石炭記念館・緑と花と彫刻の博物館 ※敬称略

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