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「湯が沸く地 2023|木材、新聞紙、クラフト紙、画用紙、テープ、ホース、チューブ、バケツ、水、コーンスターチ、湯の花、伽藍岳の土、ブルーシート、ドローイング、ビデオ

私は人の営みと自然との関係に着目し、作品を通して様々な現象を動かす大きな力と、そこに流れる時間を再現しようとしています。

京都から来た私は、ここ別府で海外から来たユニークな2人のアーティストと一緒に時を過ごし、作品を作りました。別府ではマグマが沸き、断層が動き、温泉が流れ、その湯に浸かるために人々が集まる。人々が集まることで、また渦が生まれ、土地が変わる。私自身も別府の渦に巻き込まれたような気がしています。

別府には伽藍岳に向かって鉄輪断層、朝見川断層という2つの断層があり、2つの断層が少しずつ広がることで、断層の隙間に山にしみ込んだ雨水が流れ、多様な温泉が湧き出ます。

湯が沸く地、別府。私は以前からこの土地に惹かれていました。今回の滞在では街を歩き回り温泉に入り、人々と会うなかで、この地独特の、魔法がかかったかのような生き生きとしたエネルギーは、温泉を生み出す地面の下の熱のような、あるいはこの地に生きる人の営みのような、見えない何かであると知りました。

 

※オープンスタジオでは、紙と糊などを混ぜ合わせて作った自作の紙粘土を造形の表面に通したホースからあふれさせるパフォーマンスをおこない、その後、別の日に造形の裂け目を広げ一部を切り離し沈ませるパフォーマンスもおこないました。別府の温泉を生み出すダイナミズムと、断層の広がりによって将来的に沈むといわれている別府という土地をシュミレートし、その幻想的な一面を取り出そうとしました。

協力:大分合同新聞社別府総局、黒田大スケ、土谷雄一、株式会社 都留紙器工業所、由佐悠紀、紙屋さん、別府のみなさま、別府のアート関係のみなさま ※敬称略

​KASHIMA 2023 BEPPU ARTIST IN RESIDENCE オープンスタジオ  キャプションの一部より

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