top of page

「湯が沸く地 2023|木材、新聞紙、クラフト紙、画用紙、テープ、ホース、チューブ、バケツ、水、コーンスターチ、湯の花、伽藍岳の土、ブルーシート、ドローイング、ビデオ

私は別府でアーティスト・イン・レジデンスに参加し、海外から来たユニークな2人のアーティストと共に約50日間の時を過ごしました。別府では、地下でマグマが沸き、断層が動き、温泉が流れ、その湯に浸かるために人が集まる。そうして人が集まることで、またなにか見えない渦が生まれ、街が変わっていく。私自身も滞在を通して別府の渦に巻き込まれたような気がしています。

別府には伽藍岳に向かって鉄輪断層、朝見川断層という2つの断層があり、2つの断層が少しずつ広がることで、断層の隙間に山にしみ込んだ雨水が流れ、多様な温泉が湧き出ます。

湯が沸く地、別府。今回の滞在では街を歩き、温泉に入り、人々と出会うなかで、この地独特の、魔法がかかったかのような生き生きとしたエネルギーを感じました。それは、温泉を生み出す地面の下の熱のような、あるいはこの地に生きる人の営みのような、見えない何かでした。

​KASHIMA 2023 BEPPU ARTIST IN RESIDENCE オープンスタジオ  キャプションの一部を編集

協力:大分合同新聞社別府総局、黒田大スケ、土谷雄一、株式会社 都留紙器工業所、由佐悠紀、紙屋さん、別府のみなさま、別府のアート関係のみなさま ※敬称略

※オープンスタジオでは、紙と糊などを混ぜ合わせて作った自作の紙粘土を造形の表面に通したホースからあふれさせるパフォーマンスをおこない、その後、別の日に造形の裂け目を広げ一部を切り離し沈ませるパフォーマンスもおこないました。別府の温泉を生み出すダイナミズムと、断層の広がりによって将来的に沈むといわれている別府という土地をシュミレートし、その幻想的な一面を取り出そうとしました。

bottom of page