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「Repetitive Activity in Toyama City」 2023|富山市内の工事で出た残土、神通川の水、藁、土嚢袋、土管、鉄、台車、ラッシングベルト、油圧ジャッキ、鍬、手袋、トロ舟、テミ、木材、映像
富山市内の住宅工事や道路工事で出た残土に、神通川で汲んだ水と稲藁を混ぜ、土管の中に押し込み、器具を使って押し出していく。押し出された土は、水、稲藁、石と共に圧縮され塊となり、土管が載った台車を押し返す。押し返された台車は、少しずつ後ずさるように移動する。
会場となった樂翠亭美術館の場所は、かつて神通川が流れていたが洪水が多く明治期の治水工事により埋め立てられ、埋め立てには富岩運河の掘削土が使われている。制作において、自然と人間の関係によって大量の土が移動し、富山の地が有機的に変化し続けてきたことに着目した。
また神通川は長らく富山に恵みをもたらす川であり、神通川を中心に富山という土地が発展し形成されてきたが、同時に土地に生きる人々を苦しめたイタイイタイ病をもたらした川でもある。公害の悲惨さと共に、この地で暮らしていくために戦い続けてきた人々の営みに胸をうたれた。残土に川の水や稲藁を混ぜて押し出し少しずつ移動していく様子に、川と人の営みのイメージを重ねている。
協力:長崎土石株式会社、河原拓也、安宅陽果、藤井朱里、米本梨沙、黒田大スケ ※敬称略
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