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「Repetitive Activity in Toyama City」 2023|富山市内の工事で出た残土、神通川の水、藁、土嚢袋、土管、鉄、台車、ラッシングベルト、油圧ジャッキ、鍬、手袋、トロ舟、テミ、木材、映像
富山市内の住宅工事や道路工事で出た残土に、神通川で汲んだ水と稲藁を混ぜ、土管の中に押し込み、器具を使って押し出していきます。押し出された土は、水、稲藁、石と共に圧縮され塊となり、土管が載った台車を押し返します。押し返された台車は、少しずつ後ずさるように移動します。
この作品では、神通川にまつわる土地の改変、そして公害の歴史を背景に、富山の地で続いてきた自然と人の営みを表現しようとしました。 展示会場となったのは、富山駅から5分程歩いた場所にある樂翠亭美術館です。美術館のある場所はかつて神通川が流れていましたが、洪水が多く明治期の治水工事により埋め立てられ、埋め立てには戦前に作られた富岩運河の掘削土が使われています。作品では自然と人間の関係によって大量の土が移動し、富山の地が有機的に変化し続けてきたことに着目しました。
神通川は長らく富山に恵みをもたらす川であり、神通川を中心に富山という土地が発展し形成されてきましたが、同時に土地に生きる人々を苦しめたイタイイタイ病をもたらした川でもあります。上流で流された有害物質が、水、土壌を汚染し、長年に渡って人々を苦しめてきました。その悲惨さと共に、この地で暮らしていくために戦い続けてきた人々の営みに胸をうたれました。残土に川の水や稲藁を混ぜて押し出し少しずつ移動していく様子に、川と人の営みを重ねて表現しています。
協力:長崎土石株式会社、河原拓也、安宅陽果、藤井朱里、米本梨沙、黒田大スケ ※敬称略
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